プラスチックの基礎知識「リサイクル原料と産業廃棄物」

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リサイクル原料と産業廃棄物

 弊社ではリサイクル原料を扱っており、基本的に産業廃棄物(以下、産廃物)を取り扱っていません。ではリサイクル原料と産廃物の違いは何でしょうか? 簡単にいうと、リサイクル原料は有価で商品を購入したものということです。
但し、工場から発生する成形ロス、ランナー、ダンゴなどを有価で購入するためには、異なった種類が混ざっていない単一のプラスチックで、きちんとプラスチックの種類ごとに分別されている必要があり、油、泥等の汚れや金属インサート、ラベル等の付着物がないことも前提になります。また、運送効率を考えると、大きな成形物であれば破砕あるいは粉砕加工の必要もあります。
ですから弊社では一度消費者の手に渡った商品〔ポストコンシューマー品〕を回収したものは、一度、あるいは数度に渡り分別等の過程を経た、純度の上がったものでなければ扱いません。(※最近ではPETボトルに代表されるように、原油の高騰に伴う、原料価格の上昇で、これらのポストコンシューマー品にも有価での取引が増えてきています。)

リサイクル原料と産廃物区分についてもう少し詳しくみると、現行の廃棄物処理法(『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』)では、産廃物とはマニフェスト伝票(産業廃棄物管理票)の発生するものです。よって弊社が扱うリサイクル原料は、マニフェスト伝票の発生しないものとなります。 ではどういう場合にマニフェスト伝票を発行しなければならないかというと、工場より発生品を引き取る際、処分代金を取る(お金を貰う)とマニフェスト伝票を出さなければなりません。(マニフェスト伝票についてはウィキペディア(Wikipedia)内、マニフェスト制度の項をご参照下さい)

 

リサイクルと産業廃棄物の違い

 

マニフェスト伝票は収集運搬業や産廃業の免許を持った業者でなければ発行できません。
よって産廃の免許を持たない商社では産廃物の仕入れは行えず、リサイクル原料の取り扱いのみとなります。

 

尚、厳密にいうと有価であってもマニフェスト伝票の発行が必要な場合があります。それは発生工場側が支払う運搬運賃が、工場発生品の買取価格を上回った時です。この場合、処分に際し工場側に費用が発生したということになり、マニフェスト伝票の発行が必要で、有価でも産廃品となります。〔但し、発生工場側が自社便で発生品を持ち込んだ場合は、運賃の発生がないと考えられ、マニフェスト伝票発行の必要はないと考えられています。〕

 

マニフェスト伝票

 

では、引き取り業者が、工場まで発生品を引き取りに行き、無償(¥0)で持って帰る場合はどうなのでしょうか?この辺りはグレーゾーンのようです。通常、発生工場側に費用の発生はないので、マニフェスト伝票の発行は行われていないと思います。〔※トラブル回避の為、キロ1円やトン1円というような価格をつけて引き取る業者もいるようです。〕

最後に当社では産廃物との混同を避けるため、産廃業者さんが通常使われる『廃プラ』という言葉を使わず、成形ロスや工場発生品と呼んでいます。まれにはスクラップと言うこともありますが、『廃プラ』とは言いません。

 

〔2006年8月執筆〕

 

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