プラスチックの基礎知識「プラスチック用語集」

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プラスチック用語集

プラスチックの用語について、主観ではありますが、知っておくと便利な用語をご紹介いたします。(50音順)

 

あ行  
用語
説明
アイゾット衝撃試験 プラスチック成形物の衝撃性能についての試験
アニーリング 成形後に施す熱処理の一種 成形品を一定条件下で加熱して残留歪を緩和、形態寸法を固定化する操作 この処理を行わないと、寒冷下など過酷な状況で破損の原因になる  ナイロン等ではこの処理は一般的
アロイ ポリマーアロイ 2種以上の重合体を混合または化学結合させたブレンドポリマー 
安定剤 熱、光などによるプラスチックの劣化現象を抑制、防止する為の化学物質
移行 配合された可塑剤、着色剤などが接触するものに拡散、浸透する事  ハンガーなどでは服に移行する場合があるので特に注意が必要  ブリード
一軸延伸 フィルムやシートなどプラスチック製品製造時に一方向にのみ延伸力をかける加工方法 延伸をかけた方向に対し分子配向が起こるので引っ張りの強さはかなり向上するが、延伸方向に対して直角の方向には著しく弱くなり、裂けやすく、割れやすくなる
インサート 予め金型の中にセットしておいて成形品にはめ込まれる金属部品
インジェクション成形 射出成形  熱したプラスチック原料を金型内に射出充填し、冷却し固め製品を得る成型方法
インジェクションブロー成形 インジェクションにより底のあるパリソンを作りその中に空気を吹き込み成形する成形法
インフレーション法 押出機のダイ部より円筒状にフィルムを押出、その中に空気を送りふくらませて、チューブ状のフィルム袋を作る方法
ヴァージン →バージン
打ち抜きロス 真空成形などで製品をシートより切り離した際にでる枠  またはフィルムやシートなどのトリミング断材
エアキャップ 緩衝材として使うプチプチのこと
エム・アイ →メルトフローレート
エラストマー ゴムのように弾性に富む高分子、プラスチック
延伸 熱可塑性プラスチックをその融点以下の温度で機械的に引き伸ばし、断面の厚さを減少させる又は分子配向させることで、製品の強度をあげる方法  一方向に延伸することを一軸延伸、直角二方向に延伸することを二軸延伸という  製品ではOPPフィルム、OPSフィルムなどは延伸かけたフィルム  
エンプラ エンジニアリング・プラスチック PS、PP、PEなど汎用プラスチックより物性の優れた材料  電子部品、自動車部品、ギア、カムなど機構部品に使われる
黄変 プラスチックが光、熱、化学薬品、空気中の酸素、オゾン等の作用によって黄色に変色すること
押出し 熱可塑性プラスチック成形材料を押出機中で加熱加圧して流動状態にし、それをダイから連続的に押出して成形する方法
オージー(OG) オフグレードの略 メーカーにおいて何らかの理由から正規商品より外されたもの 一級品(バージン)に近いニアプライムから、グレード移行品、MIブレ、異物入りまである
折径 インフレーションフィルムを円筒状のまま折りたたんだ時のフィルム幅

 

か行  
用語
説明
回転成形 粉末状やペースト状のプラスチック原料を分割できる中空の金型に入れ、金型を熱し回転させ遠心力により金型内部に付着膜を形成し製品を得る成形法  大型のタンクなどの製造に適している
ガイドピン 雄型と雌型の金型の位置を正しく定める為のピン
架橋 橋かけともいう  分子間を化学的に橋を架けるように結合させて網状構造をつくる現象や反応  ゴムに硫黄を加え(加硫)過熱すると架橋が起こりタイヤなどの弾性のあるゴムができる  プラスチックではPEに過酸化物(ペルオキシド)を添加し架橋させ電線被覆などに用いられる  架橋した成形物は再度熱をかけても軟化せずリサイクルできない
ガス抜き 射出成形において金型内に発生する揮発性のガス等を成形物に影響を与えないよう逃がす操作
ガスバリヤー 包装材などのプラスチック成形品の気体透過性が低いこと  酸素、炭酸ガス、湿気、香りなどが透過することにより内部の変質を防ぐため、包装用フィルムや容器は、アルミ蒸着やポリ塩化ビニデンの共押出、ラミネートあるいはコーティング等により多層化しバリヤー性を付与する
可塑化 プラスチックを加熱するか可塑剤を加えて軟化すること
可塑剤 プラスチック原料を可塑化して成型加工性を向上させたり、塩ビなどで成形物に柔軟性を与えるためにプラスチック原料に添加する液状または固形状物
型締力 金型に充填されたプラスチック原料の圧力に対抗して金型を閉じておくためにかける最大型締力
金型 プラスチック原料を加熱溶解し注ぎ込み.一定の形状に成形するための金属製の型
カラープレート →プレート
ガラス繊維強化
熱可塑性プラスチック
ガラス繊維を10-40%添加した熱可塑性強化プラスチック 弾性率の向上と荷重たわみ温度の向上する
加硫 ゴムに硫黄を加え過熱するとゴム分子間に強固な結合(架橋)が起こりタイヤなどの弾性のあるゴムができる  
顆粒 グラニュール 大きさが一般に径1〜3mm程度の粒
顔料 水、溶剤などに溶けない着色粉末体でプラスチック原料の着色に使用
気泡 成形品の中にできる“す(空洞)”のこと
キャストシート 硬化剤を入れた液状モノマーをガラス板などで作った型に流し込み、重合完了後取り出して作る板状のプラスチック アクリル樹脂板が代表例
キャビティ 金型の雌型と雄型によってできる空間
共押出フィルム 2台以上の押出機を用いダイ部で複数の材料を合流させ押出した多層フィルム
共重合体 コポリマー 二種類以上のモノマー(単量体)を混合して重合すること
ゲート 成形金型のキャビティにプラスチック原料が注入される湯口
原色(げんしょく) ナチュラルカラー、そのプラスチック原料本来の色目のこと AC、PCなどでは無色透明、PPやABS、PBT、POMなど白っぽいもの、またPPS、LCPなどでは茶色っぽいものが原色となる
コア 成形品の内面を形成する部分
高圧 LDPE(低密度ポリエチレン)のこと
コポリマー 共重合体
コンパウンド プラスチック原料に可塑剤、充填剤、着色剤、安定剤等を混ぜ合わせ押出機で粒状にした材料

 

さ行  
用語
説明
再生原料 射出成形などでランナー、スプルー、成形不良品などを粉砕して再使用するプラスチック原料  リサイクル原料
雑色 単色ではなく、複数の色が混ざっているもの  複数の色の成形品を粉砕すると雑色となる また印刷のついた成型物の粉砕も雑色となる
シーティング シートを押出機などを用いて製造すること
シート 板  通常厚さ0.25mm以上をシート、0.25mm未満のものはフィルムと呼ぶ
シーラント 水や空気の洩れ止め
紙管 フィルム、シート等のロールの中心にある紙の芯  プラスチックのものもある
自消性 炎に接すると燃焼するが、炎を取り去ると消える性質  難燃性(FR)
シャルピー衝撃試験 プラスチック成形物の衝撃性能についての試験
重合 モノマーの分子2個以上が結合して、より分子量の大きい化合物(コポリマー)をつくること
ショット 金型を閉じ内部にプラスチック原料を射出充填、冷却後金型を開け成形物を取り出すまでの1工程
真空成形 金型(雌型か雄型かの一方だけを使用)の上に加熱軟化させたプラスチックシート(板)を載せ、空気吸引により型とシートの間を真空にし、シートを金型に吸い付け成形する方法
スクラップ 成形不良品、ランナーなど粉砕前の再生用プラスチック
スクラップ 成形不良品、スプルーランナーやフィルム、シートの打ち抜きロスなど粉砕すれば再生原料となるもの
スクリーン 押出機のスクリュー先端とダイの間、ブレーカープレート前に付ける異物を除去するためのステンレス製の金網  20〜200メッシュのものを複数枚組み合わせて使用する 
スクリーンパック スクリーン(金網)を数枚重ね合わせたもの
スチレンモノマー 未重合のスチレンのこと  エチルベンゼンの脱水素反応によって得られ、ポリスチレン、ABS、AS等多くの熱可塑性プラスチック原料の重要な原料
ストランド 押出機のダイから出した細い棒状のプラスチックで、これをカットしたものがペレット
スプルー 射出成形において成形機のノズルからランナー又はゲートまで溶かしたプラスチック原料を送る経路
スプルーランナー 射出成形などで金型の射出口からゲートにいくまでの、溶けた状態の成形材料が通る溝(通路)で固化したもの  冷却後成形品と共に取り出され、切り離される  この部分はロスとなり再生原料の材料となる
スリッターロス フィルムを一定の幅にカットしてロール状に巻き取る際にでるヘタ
スリップ剤 フィルム用原料などに添加し製品がすべりやすくする物質
成形 モールディング  プラスチック原料に加熱および加圧し軟化あるいは溶融流動化させ、金型やダイなどによって希望の形状にする操作
成形品 成形によって得られた製品
生分解性プラスチック 土中の微生物の代謝作用によって分解可能な分子構造を持つプラスチック原料
セミダル、ブライト ナイロンなどの繊維に使用する色目の表記

 

た行  
用語
説明
耐候性 プラスチックが屋外で使用される場合の日光、風雨、暑さ、寒さなど天候条件に対する耐性
多層フィルム 2種以上のフィルムを積層し、各素材フィルムの特性を生かしつつ、欠点を補った複合フィルムのこと
タルク 主成分はケイ酸マグネシウムで、粉砕は薄い板状またはマイカ状の形で、中には繊維状のものもある プラスチックの増量剤などに用いる 寸法安定性改良、ソリ改善
タンカル 炭酸カルシウム(CaCO3)の略 石灰石や牡蠣殻などを粉砕したもの  プラスチック原料の物性改良剤として用いる  電子レンジで使用する容器の原料に添加他
団子・ダンゴ 成型機、押出機の始動・停止時、あるいは原料替え・色替え洗浄時に押出される団子状のプラスチックの固まり  再生原料の材料となる
炭酸カルシウム →タンカル
タンブラ プラスチック原料に着色材、添加剤などを一定時間回転させることにより均一に混合する円筒形の装置
中低圧 HDPE(高密度ポリエチレン)のこと
チョーキング 光や水、熱などによる劣化によってプラスチック表面がチョークのような外観になること
Tダイ法 押出機の先に細いスリットのあるT型のダイスを付け、加熱溶解したプラスチック原料を押出し、フィルムやシートを作る方法
導電性プラスチック カーボンブラックなどを添加することにより電気を通す特性をもつプラスチック原料
ドライカラリング 無着色のプラスチックペレットの表面に、着色剤(ドライカラー)をタンブラ等でまぶすのみでカラーペレット化しない着色法
トリミング フィルムやシート等の幅を一定に揃えるため両端をカットすること、または成形品のバリをとること

 

な行  
用語
説明
ナチュラルカラー →原色
ナフサ 石油、コールタール、オイルシェールを蒸留して得られた低沸点の油でプラスチックの原料となる  ここから各種モノマー(エチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼンなど)とガソリンが作られる
難燃(FR) ライター等で火をつけた時、火(炎)の中では燃えるが、火を放すとすぐ火が消える特性ももつこと。自己消化性(自消性)
二軸延伸 フィルム、シートなどを縦、横の直角二方向に引き伸ばしながら押出し、強度向上させる手法
熱可塑性プラスチック 加熱すると、軟化して加工できるようになり、冷やすと固化するプラスチック原料  この軟化固化は何度もくりかえすことができるため不良成形品の再利用が可能  熱硬化性プラスチックは再利用できない
熱硬化性プラスチック 加熱すると、軟化して加工できるようになるが、そのまま加熱を続けると、化学反応を起こして硬化するプラスチック原料  低分子の物質が加熱により高分子量の3次元架橋構造(網状構造)となるもので、一度硬化したあとは加熱しても再び軟化することがない よって熱可塑性プラスチックのように再利用できない
熱変形温度 加重たわみ温度  一定荷重で温度を上昇させた際、あらかじめ決められた変形をしめす温度
ノズル シリンダーの先につける口金のこと

 

は行  
用語
説明
廃プラ

成型工場などより廃棄処分されるプラスチックのこと。産業廃棄物業者が主にこの言葉を使う。 リサイクル業者は、ロスやスクラップと呼ぶことが多い。

パージ、パージング 押出機や成形機内の材料を、色替え、原料替え等の際、他の材料(一般に原色の材料が使われる)で洗浄し取り除くこと  
バージン 新品のプラスチック原料 メーカーの一級品原料を俗にこう呼ぶ 再生原料の対語 
パーティングライン 金型の雌型と雄型の分割面によって成形品にでる線
破砕機 プラスチック製品を80〜40mmの大きさに砕く機械  破砕機は産業廃棄物業者の使用が中心→粉砕機
バリ 金型のすきまに流れ出て、はみ出して固まった部分
パリソン ブロー成形時に、プラスチック原料を溶かしてパイプ状態に押出したもの
汎用プラスチック PP、PE、PS、塩ビなど一般によく使用される低価格で加工性のよいプラスチック原料
B反 A級品ではないロール オフグレード・ロール
ひけ プラスチック原料の収縮により成形品の表面にくぼみが出る状態  肉厚の厚い部分が“ひけ”やすい
ヒンジ 蝶番(ちょうつがい)部  PPでは射出成形において流れを調整することにより、特定な結晶の積層構造を発現させ、繰り返しの折り曲げに耐える構造とする?
ピンホール 成型したフィルムなどにできる小さな穴  異物の混入などでできることもある
フィラー プラスチック原料の充填材  
風袋 商品の包み紙またはその重量 紙袋や箱、フレコンの重量
フラッシュ 乾燥不足や異樹脂の混入により成形物表面に細かい線がでる状態  不良品となる場合が多い
ブリード 着色剤などが製品の表面に染み出すこと  移行とも言う
ブルーイング 成形物がより無色透明に見えるよう、あえて少し青色の着色剤を配合すること
プレーカープレート 押出機のスクリュー先端とダイの間にある多数の円形のプレート  異物除去の為のスクリーン(金網)を支える
プレート 色目や強度を試験するため、小型の射出成形機で成形する板
フレコン フレキシブル・コンテナの略  PEなど折りたたみ可能な柔らかい素材で作られ、通常1トンもの原料の封入に耐えうる大型の袋  
ブロー成形 中空成形  金型内にプラスチック原料を溶かしてパイプ状(風船のように)に押し出し、その後パイプ内に空気を注入、金型密着と同時に冷却して中空の成形物を得る成形法
フローマーク 金型のキャビティの中でのプラスチック原料の流れの跡が成形物の表面に残った模様  不良品となる場合が多い
ブロッキング 袋の中の原色や重ねておいた成形物がくっついて固まってしまうこと
粉砕機 ランナーや団子、成形不良品を10〜3mmサイズの粒子に細かく砕く機械通常プラスチック再生業者は粉砕機を使う →破砕機
ペレット 成形しやすいように一辺、直径が2〜5mmぐらいの円柱、球形、または角柱形に造粒したお米のようなプラスチック原料  押出機を用いて熱したプラスチックを細い棒(ストランド)状に押出し、水槽等を通し冷却後に切断するコールドカット〔円柱型〕  ダイの出口で押出し直後に切断するホットカット〔球形〕などがある
ベント 押出機などからガスや空気を逃がす口(窓)
偏肉 フィルムなどの厚みの部分的なかたより
ポジティブリスト 塩ビ食品衛生協議会が自主制定した食品容器包装などプラスチック製品に使用できるポリマーと各種の副資材(PL規格)
ホットカット 押出機でペレットを作る際、冷却水を通さず押し出し直後、熱いままカットする方法 通常の球形のペレットとなる
ホットメルト 常温では固体の接着剤を加熱溶融して流動化し、均一に被覆した後、常温に冷却固化すると同時に接着を完成する加工方法。
ホットランナー 射出成形の金型のランナー部のプラスチック原料を常に加熱することにより、1ショットごとにランナーを捨てず、成形品のみを得るランナー方式
ポバール ポリビニルアルコールの日本における一般名。
ポリマーアロイ →アロイ

 

ま行  
用語
説明
マイカ 雲母  弾力に富む六角板状のアルミニウムなどのけい酸化合物  簡単に薄片になる 熱硬化プラスチックの充填剤となる
マスターバッチ 着色剤などを高濃度に配合したペレット。成型時に原色の材料に数%添加して使用する
メッシュ 押出機などで異物除去のため使用するスクリーン(金網)の細かさの表示  25.4mmの長さ内の穴の数  通常20〜200メッシュのものが使用される
メルトフローレート、メルト 通称MI(エム・アイ)、MFR  プラスチック原料の加熱溶融時の流れの速さを表す指標 PP、PEの場合(MI数値が高い=射出成形、MI数値低い=押出成形)
モノマー 単量体  ナフサより分離されたエチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼンなど  例.単量体であるエチレンを重合すると重合体ポリエチレンとなる

 

や行  
用語
説明
UL規格 アメリカへ製品を輸出する際、クリアせねばならない規格。Underwriters’ Laboratories Inc.(保険業者研究所)の略

 

ら行  
用語
説明
ラミネート プラスチックのシートやフィルムを貼り合わせたもの
ランナー →スプルーランナー
リグラインド(粉砕) 成形不良品、ランナー、団子などのスクラップを粉砕し細かくした再生プラスチック原料 
劣化 プラスチック原料や成形物が熱、光、オゾン等また風雨にさらされ物性が変化低下すること
ロール 巻物

 

用語(英字)
説明
CF
カーボン繊維 炭素繊維
CPP
無延伸ポリプロピレンフィルム
FR
→難燃
GF
ガラス繊維
GP
汎用グレード(特に汎用ポリスチレン)
HB
難燃ではないプラスチック原料の表記
ISO
International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略。工業標準の策定を目的とする国際機関
MFR
→メルトフローレート
MI
→メルトフローレート
OG
→オフグレード
OPP
延伸ポリプロピレンフィルム
OPS
延伸ポリスチレンフィルム

 

※参考文献
@プラスチック成形材料商取引便覧/化学工業日報社
A図解プラスチック用語辞典/日刊工業新聞社
Bポリマー辞典/大成社

 

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